
先週末は植物画倶楽部の総会で東京へ行ってきましたが、ついでに銀座ソトコトロハス館で開催中の、フェルメール光の王国展を見て来ました。
この展覧会、ちょっと異色です。というのも、原画ではなく、最新の技術で原画が作成された当時の状態を再現した、デジタル版画を展示しているのです。
昔は画面の保護のために、ニスを塗るのが当たり前だったのですが、このニスが年月とともにヤニ色に変化して、絵を暗くしてしまいます。古くなったニスを薬品ではがせば、また昔の色が取り戻せるはず・・・・とはいえこれには膨大な時間と熟練の作業がいるので、なかなか実施するのは難しいものがあります。薬品のせいで原画が傷つくかもしれないという心配もありますし。
その点デジタル処理ならば原画には触れることなく、色を調整し、剥落した部分を埋め直すことも出来ます。
データだけ送ってもらえば、原画を移動させる必要もありません。
ということで、現存する37点の作品が一堂に会するという、夢のような展覧会となっているわけです。
原画の放つ、えもいわれぬオーラには及びませんが、鮮やかに蘇った色彩は十分に楽しめます。
宮沢りえと小林薫が吹き込んだ音声ガイドもわかりやすくて、おすすめです。